UniTalk導入方法 ~自動応答を添えて~

まず始めに、私はSB所属の人間ではなく1ユーザーの立場におり、その使用感に基づいた主観によってこのエントリは記述しております。非常に良いサービスだと思っており応援したい気持ちがあるので書きました。記載された内容の正確性を保証する物ではなく、内容に基づいて行った何らかの結果について責任を負う者ではないことをお断りさせて頂きます。(´・_・`)┌

特に自動応答を使用した使い方はSBから提供される資料には「個別対応です」とだけ書かれており、「じゃあどうやって使うのか?」という明確な説明がない。Office365システム側の概念理解や多岐にわたる設定が多く含まれるので、責任分解点が曖昧なためロハで付き合ってられないからと推察されるが、現状は使うためには利用者側のシステムインテグレーション能力が問われる。そのような状況があるため一般的な導入方法についてご紹介する。

UniTalkとは?

  • クラウド電話サービス。TCP/IPを用いてMicrosoftのクラウドサービスに接続されてそこからPSTNへ抜ける。
  • 電話を受発信するユーザーに必ずUniTalkライセンスが必要。
  • 自動応答で受ける電話番号に対してもUniTalkライセンスが必要。
  • 電話を受発信するユーザーには一意の通話可能な電話番号が割り当てられる。
  • ユーザーは一意の電話番号をもつが、ポリシー設定によって外線発信するときの番号を変えることが出来る。
  • 国内通話はライセンス料に含まれておりどれだけ使っても定額 ※ただし輻輳させたりであるとか、無茶な使い方すると止められる規約がある
  • Microsoft Teams必須なので紐付くOffice365ライセンスが必要
  • TeamsからPSTNの接続部分はSoftbankが担っている。
  • スマホアプリ、PCクライアント、Teams Roomであるとか、Microsoft Teams IP Phone appを搭載した専用端末からのみ利用可能。
  • Direct Routing(DR)という、SBCと呼ばれている機器やSIPサーバーと連携することが必須では無いのでオンプレには何も電話関連機材は要らない。逆に言えばSBC使うと既存のIP-PBXと統合できなくもない。
  • MNPは2020/7月現在NTT東西の固定回線からだけ。ひかり電話などのVoIP回線番号からは不可

申し込みに必要な物

法人の場合を前提として書きます。

  • 履歴事項全部証明書(スキャンしたコピーで可)
  • 契約者本人の本人確認書類(免許証等)と保険証(スキャンしたコピーで可)03番号の取得なのでかなり本人確認が厳しい。
  • Office365ライセンス。E5以外は「電話システム」アドオンライセンスが必要。※テナントの誰か1人でも電話システムライセンスが付与されていないとTeams管理センターで電話関連の設定メニューが表示されない。
  • Softbank営業より提供される申込書。原本郵送必要。
  • Office365テナントの紐付けが必要なのでその情報提出を求められる。
  • パートナー管理のために所定のURLから「承諾」というボタンを押すプロセスを求められる。

申し込みが完了して順調にいけば2~3週間前後で開通する。申し込み後、法人登記住所と契約者住所の両方に書類が届く。

開通後はどうしたらいい?

個人ユーザーに対して電話番号を割り当てるだけなら、設定例集がSoftbankより提供されるのでそれに従えば良い。

ただし、電話番号をユーザーに割り当てても即時反映されて利用可能とはならず、最大で24時間ほど待つことになる。なので、少ない電話番号を付け外してライセンス数を運用で稼ごうということを考えている場合は想定通りワークしないことが考えられるので、電話を受発信する必要がある人数分を素直に契約した方が良いだろう。

電話番号を割り当てると、UniTalk番号同士なら少々のタイムラグで相互に通話が可能になるようだ。

しかし外線発信可能になったかどうかは、かなり長いタイムラグがある上にTeams管理センターから判断する術が用意されていない。実際に時間を見計らって電話を架けてみるしかない。

外線受発信が有効になっていない状況では、実際に電話すると”You’re not set up to use this calling feature ~~ Please contact admin~~”みたいな英語のメッセージが流れるので、それの有無で判断できる。

通常、Teamsの外線通話では、「通話プラン」というアドオンライセンス、いわゆるSkypeで言うところのクレジットのようなものを買う必要があるのだが、これはMicrosoftから直接電話番号の割り当てを受ける場合に必要な物であって、UniTalkの場合は必要がないのでライセンスを買ってはいけない。この通話プランライセンスが適用されてしまうとUniTalk側に正しくルーティングされないことがおこるようである。個々のユーザーに通話プランが適用されているかどうかはTeams管理センターの「ユーザー」メニューから確認できる。

自動応答(IVR)の使い方

UniTalkでは、契約時に緊密にネゴっていない場合は全てのIDの電話番号が「ユーザー」として発行される。

TeamsのIVRおよび通話キューを使用するためには「リソースアカウント」を使用する必要があるのだが、リソースアカウントが使用できる電話番号の種別としては「サービス」というものが該当するので「ユーザー」として割り当てられた番号は使用できない。

クラウドの自動応答をセットアップする

https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/create-a-phone-system-auto-attendant

次の手順で準備が必要になる。

  1. Softbankに既存の電話番号をサービス番号に切り替えて貰うか、サービス番号で新しく番号を払い出してもらうよう依頼する。新しく払い出して貰う場合はIDを増加することになるので、ID追加の手続きが必要になり、もちろん増やした分の費用がかかる。※ID増減は申請書で提出する
  2. サービス番号をTeams管理センターの[組織全体の設定] – [リソースアカウント]より紐付けする。リソースアカウントを新規に作成した場合、別途Office365管理センターから「電話システム 仮想ユーザー」というライセンスと、「Softbank Calling for Office 365」をリソースアカウントに割り当てること。仮想ユーザーライセンスは費用としてはゼロなのだが、ライセンスを購入する手順を踏まないとテナントのライセンス管理では表示されないので先に購入を済ませておくこと。
  3. [音声] – [自動応答] から、IVRフローを設定する。

ちなみにOffice365の電話システム仮想ユーザーライセンスは、所持する電話システムライセンスに基づいて自動的に利用可能な上限数が割り当てられるが、UniTalkを使用する場合は1対1で割り当てることになるのであまり気にしなくて良いだろう。

TIPS

  • ボイスメール設定で「トランスクリプトの作成:オン」にすると、音声が文字起こしされたメールが届く。Amazon ConnectでこれをやろうとするとLambdaやら使ってAmazon Transcribeを通すなどの仕組みを自分で作らざるを得ず(一応テンプレはあるけど楽に使えるとは言いがたい)、すさまじく面倒臭いのだが、Teamsだとクッソ楽に実現できる。
  • 自動応答音声はテキストで書けばMicrosoftのエンジンを使ってリアルタイムで音声変換されたものを流せる。音声ファイルを用意することも可能。
  • ボイスメールはTemasのチャネルなどが持っているアドレス宛に転送させれば音声ファイル付きで投稿が可能。しかも、わざわざ音声を再生させずとも文字起こしされた内容でおおよその内容がTeamsさえ使っていれば担当者間で共有できる。
  • Teamsアドレスを連絡先アドレスとしてグローバルアドレスリストに登録して配布リストに含めることを試したが、このやり方では投稿されないことが頻発したので、転送が良いと思われる。尚、共有メールボックスはボイスメール送信先としてリストアップされないので使用することが出来ない。ボイスメールを使うにはExchange Onlineなどの適切なライセンスが必要なようなので、それに関係しているのかも知れない。管理者などの誰かがメールを受けて一度転送するしかないだろう。もっとスマートなやり方があったら知りたい。
  • [音声] – [発信者番号通知ポリシー] から、「発信者番号を置き換える:サービス番号」のようにすると、IVRが持っている受信用電話番号でどのユーザーも発信可能になる。ポリシーを複数作成すればポリシーの切替によって誰をそのような動作にするかはコントロールすることが出来る。UniTalkでは個人個人が固有の電話番号を持つという、ある種欧米的なワークスタイルが提供されるが、日本のように大代表を持って担当部署へ連絡するというような組織文化ではそのままなじまない場合も考えられるが、これによって使い分けが実現できる。

使用感

  • 控えめに言って使い勝手・音質ともに最高であり、テレワーク時代に求められていたものがようやく来たという印象である。インターネット回線品質に左右されるとは言え、通話品質はかなり良い。中小零細企業は今すぐ固定電話解約して使えば良いのでは?(´・_・`)┌ クラウドサービスのオペレーションが出来る人が居れば・・・
  • 複雑なIVRフローや、プレフィックスを複数使用した高度な使い分けなどはまだ標準のIVR機能では出来ないことも多いので、オンプレのIVRで高機能なものを使用していた場合は、そのまま要件を満たせない場合が想定される。外部の業者などに導入を任せる場合は十分に話し合った方が良いだろう。SBCでの接続が必要になるかも知れない。
  • NTTなどとは違って、事前に電話番号のリストがいくつか貰えて選べるようなことは無く、有無を言わさず何らかの番号が割り当てられる。それが許容できるかどうか。番号に無駄なこだわりがある経営者などは反発するかも知れない。SBにねじ込む何らかの見えない力を行使することができない限りは番号選択の自由度は低い。
  • 既存の番号からのMNPは、旧来からの電話システムとクラウドという一件異なるシステム両面の知識が必要な人間がハンドリングする必要があるので、なかなか自社の人材だけでやれるところは無いであろう。自社にそういうことができる人材がいない場合は、SBやSIに任せることになるだろうが、こういう仕事は面倒臭い割に何かあったときに激クレームになるのでリターンは少なく、やる方から考えるとそもそもやりたくないし安く上げる事は難しい。何かあったときの切り戻しも考えると、せっかく異なるシステムに移行するのだから、新番号で始めるような新しい気持ちで使うことをお勧めする。
  • UniTalk IDの増減についてはOffice365ライセンス管理画面からは行うことが出来ず、都度、Softbankへ連絡する必要があり、かつ、申請書を提出する必要があるもので、非常に煩雑なものになっている。これは電話番号というものが犯罪に使用されることもあるため、厳格に処理されているが故のフローとも考えられるが、改善して欲しい点である。